東京建築士会 港支部総会用資料2023.05.22
① 前年度決定した高輪崖線エリアの歴史的町並み.文化遺産.緑と水 特徴的地形等の町を構成する要素を「まち歩き」を行って確認し、今後の新しい発想に基づく「まちづくり」の考え方を議論するベースとした。
② この考え方の前提としては隣接するJR東とKDDIが共同開発している国の特定都市再生緊急整備地域である「高輪ゲートウェイシティ」の東京国際空港へのアクセスが良好な立地を活かして、世界に新たなイノベーションを発信する事を目的とする広域的巨大開発に対して、「歴史的町並み.文化遺産.緑と水 地形 等」の持てる資産を大切にした「新たな次世代の街づくり」が将来的に価値を持つとの認識の基に実践活動を行う事が必須あり、その方向性で逐次議論を行った。
①2021年度で規定された高輪の斜面地緑地が連続するエリアのまち歩きを新型コロナ感染症の状況に留意しつつ、以下に示すように4回実行し結果を逐次まとめていった。
●まち歩きの視点としては以下の要素が考えられた
〇公園(区立公園 等)
〇児童遊園
〇緑地(宅地内大規模緑地も注目する 例えば旧高松宮邸)
〇斜面緑地(高輪地域に特徴的に現存する斜面緑地に注目)
〇神社・仏閣・宗教施設(高輪地域に歴史的に多数立地し敷地内に多くの緑を担保している)
〇現存する文化財
〇教育施設
〇福祉系施設
〇大規模宿泊施設内の緑地空間(例えば 高輪プリンスホテル、新高輪プリンスホテル等)
〇各国大使館 等
〇民間施設(博物館・美術館・研修施設 等)
〇開発に伴う公開空地(開発プロジェクト計画に基づく予定地も含む)
〇港区の特徴である微地形(高低差のある地形)と坂の存在を景観・環境資源として注目(多くの坂は江戸時代から存在し由来がある)
〇その他の歴史的資源
既に情報の収集を行っているが、東京都の当該地域に関するガイドライン、港区まちづくりマスタープラン・港区緑と水の総合計画・港区みどりの実態調査・港区各種ハザードマップ 等を更に読み込み具体的提案モデルとの関連性を明確にする。
緑と水(環境形成資源)や文化的資産の歴史性や地形的な特性を認識し、港区の地域・地区特性を活かしたこれからの「まちづくり」の在り方を訴えかける。(環境育成型 まちづくりの考え方を提示)
① 「緑と水と歴史的文化資産」を巡る「まちあるきネットワークルート図」を作成る。
・市民にとって分かりやすくデザイン化された「まちあるきネットワークルート図」を作成し地域の魅力をアピールし、より多くの人々にこの地域の魅力を知ってもらう契機とする。
・「まちあるきネットワークルート図」は路地等(通称:ねこ道)も対象とし、知られていない魅力的な資源(まちの構成要素)を紹介しつつ巡るルートを想定する。
・より多くの人々にこの地域の魅力を知ってもらう事により、「街の資源を活用した新たな視点からの街づくり」の機運を高める。
・これらの検討を通じて「これからの地域づくりのモデル」を具体化して行く。
②「まちあるきネットワークルート図」作成の過程で地域に係わる多様な人材に参画してもらう事を考える。(港会の組織的柔軟性の確保) 例えば下記に示す組織や人材が考えられる。
・JIA 建築家協会会員 港区白金台在住会員
・芝浦工業大学建築学部建築学科 教員 学生
・東禅寺 住職
・NPO法人 みなと外遊びの会 会員
・明治学院大学 教員 学生
・東海大学品川キャンパス 教員 学生
・フレンド学園 教員 生徒
・区立高松中学校・区立高輪台小学校 教員 生徒 等々
・例示
1.まちの歴史と寺社 寺町保全と活用
2.まちの歴史と地形 地形特性と景観・歴史
3.まちの歴史と緑地 緑地の存在と歴史. 保全と新たな緑地の整備の可能性
4.まちの歴史と景観 沿道の景観要素
① 港区の行政上の施策に反映してもらう。
・港区副区長への提示と提案
② その他
・成果品の出版
・成果品のYou Tubeへの投稿
■総会日 5月22日の討議の結果
① 検討エリアとして新たに御殿山エリアを追加する事になった、今後 まちあるきルートや当該エリアの地域資源について調査する。
・途中段階ではあるが下図にネットワークルートの検討事例を示す。
・毎月一回の港支部の定例会で議論しながら検討を進める。
以上